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2009年08月26日
ヨーダの大冒険-エピソード5
(これはお盆ツーリングのレポートです)
8月17日、どしゃぶり。
今日が北海道を走る最後の日。
ホテルの前で出発準備をするヨーダ婆。
ヨーダ婆はこの数日間で
@BOSSに教わったレイヤードもすっかり板につき
言われなくても自分からウエアを着込むように。
@BOSSは今回のツーリング当初から、
「親子」という関係を抜きにして
「初めてバイクと関わる人」への責任として
ヨーダ婆には正面から、バイクと関わる上での
さまざまなルールをイチから教えていました。
もちろん、手抜き無しに。
(さすがにペットボトルぱこぱこはありませんでしたが。笑)
相手が78歳の「お婆さん」と言われる歳であっても、
「どうせわからないだろう」などと決め付けることは一切せず、
例えば「レイヤード」に関しても、この78歳のヨーダ婆に
事あるごとに説明をしていました。
面白い事に、ヨーダ婆は、樺太食堂での一件のように
あれほど「人の話を聞かない人」でありながら(笑)
@BOSSの説明するレイヤードはちゃんと理解して
休憩で停止するたびに、雨が降っていなくても、
ブーツカバーを足の保温の為に履いたり、
雨具をウインドブレーカー代わりに着たり、
また、フリースをジャケットの下に着込んだり、
立派に、タンデムライダーとして合格点のレイヤードを
自ら行うようになっていて、見ている私も感心しました。
準備万端でポーズをとるヨーダ婆。
雨具を着ようとしたら、少し雨が小降りになってきました。
このまま上がってくれるといいのですが・・・。
今日はどうしても最終地、小樽まで辿り着かなければなりません。
途中、襟裳岬を回るので、約600kmの予定です。
う~むむむ、やっぱり雨がひどくなってきました。
ああ・・・・ついに一日も晴れることがなかったなあ。
でも、雨でも今日一日を大事に大事に乗ろう。
雨は弱くなるどころか、どんどん強くなり、
合羽を着ていたヨーダ婆はいいけれど、
私と@BOSSのウエアはもう限界。
我慢しきれず、足寄のセイコーマートで合羽を着ることに。
「やっぱり深川に寄らなかったのが敗因なのかなあ。
職業柄、雨乞いの秘法も修得済みだそうだしなあ。」
いやいや@BOSS、いくらなんでも
そりゃスケテツさまに失礼でしょう( ̄∀ ̄;)汗
なんてことを言いながら合羽を着ていると・・・雨が上がりました。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
なんですか?
「そういえば、あんたが合羽着ると晴れるよね。サロベツも、高速も。
今回あんた、青空をバックに黄色い合羽で着膨れた写真ばっかだもんね。」
あれ?言われてみると確かに・・・
そうか、フォースは私にあったのか!あ、合羽にか?(笑)
この日も予報は降ったり止んだりで
ところどころ雷注意報が出ていましたが、
私が合羽を着て以降、雨が降ることはありませんでした。
それどころか雲も切れて、暖かくなってきました。よかった。
(でも脱ぐと降りそうで怖いので、この後も脱ぐに脱げず^^;)
この日は小樽までの「移動日」なのですが、
それではヨーダ婆が可哀想であろうと
観光っぽいものを一つ@BOSSが用意していました。
おお~!「幸福駅」だ!
昔、幸福駅行きの切符というのがはやりましたっけ。
駅舎には、ここを訪れた方たちが残した
おびただしい数の名刺や写真がたくさん貼ってあります。
「やっとここに来ることができました!」
「40年後にもう一度来ます。その時も幸せでありますように」
そんなメモもたくさん貼ってあります。
何十年前のものから、今日の日付のものまで。
この場所に立ってこれを貼っていった
すべての人たちの暖かい思いが伝わってきて・・・
「あんた何泣いてるの?」 涙をボロボロこぼす私に
@BOSSがからかいながらカメラを向けますが、うまく説明できません。
幸福駅は一種の「パワースポット」だと思います。
神社仏閣と似ているけど、もっと純粋に「幸せ」を願う場所。
天井、壁を埋め尽くす名刺や写真、願い事の紙。
一枚一枚を読んだわけではないのに
改札の建物に入ったとたんに涙があふれてしまいました。
(今回は毎日泣いてますね。)
自分の幸せ、家族の幸せ、恋人の幸せ、世界の幸せ、
いろんな幸せを願う気持ちがいっぱい集まって
そこに立つ私も、幸せのパワーに包まれたのだと思います。
不思議な瞬間でした。
ヨーダ婆が駅舎に入ってきました。
壁の名刺やメモがなんであるのかを説明をすると、
「そうか・・・そういう意味で、こんなに沢山貼ってあるんだね。」
そう言って、ヨーダ婆は一人、離れたベンチにチョコンと座り、
なにやら一人で、紙に書いています。
ああ、ヨーダ婆も自分の願いをメモに書いたんですね。
いくつになっても幸せを願う、けな気なヨーダ婆。(笑)
では早速記念に貼りましょう。
ちょっと拝見・・・あはは、「78才、バイクの旅」って書いてある。
よかった、ヨーダ婆も楽しいんですね。(笑)
背伸びをして「幸福の鐘」を鳴らすヨーダ婆。
ま、このへんは抑えておいて。
@BOSSに教えてもらいながら、全種類のスタンプを押すヨーダ婆。
「ああ、このスタンプもいいねぇ~」
観光客してます。^^
小さなかわいいヨーダ婆。
このサイズで写真に撮るのが私は好きです。(笑)
ヨーダ婆にピースが出るときは、「充電完了」の証拠。
一枚くらいは、きちんとタンデムの記念写真を撮っておきましょう。
さて、幸福駅でみんなが元気を充電し、
これからぐるっと襟裳岬へ向かいます。
昼食にジンギスカンを食べようと、
すぐ近くの有名な「白樺」に向かいましたが、
残念ながら月曜定休でした。(泣)
仕方なく「道の駅なかさつない」でパパッと昼食を取り
もう天気も大丈夫であろうと合羽を脱いで、100km先の襟裳岬へ。
一年中、吹く風が強すぎて、道路を作るのに
莫大な資金がかかったという通称「黄金道路」を
前方では海岸線を走りながら、
@BOSSがヨーダ婆にあれこれ説明しているようす。
GSは、こういう道が一番GSらしく走れる気がします。
襟裳岬到着。
「あ、あそこにアザラシがいる!」ほんとすか?( ̄∀ ̄;)汗
さあ、これから250km先の小樽まで走ります。
雨は降っていないけれど、風が随分冷たくなってきたので
やっぱり合羽を着ることにしました。
夕暮れの国道を60km/hでずっとタラタラ走ります。
時々インカムから「寝てませんか?」というチェックが入りましたが
最後なんだから、どんな景色ももったいなくて
寝てなんかいるわけないじゃないですか。
国道を延々と走りながら、
今日、幸福駅でヨーダ婆が書いたメモを思い出しました。
「78才、バイクの旅」
ヨーダ婆、どんな気持ちで書いたのかなあ。
途中から高速へ。
ああ~、やっぱり高速道路は気持ちいいです~。゚。( ̄▽ ̄)ポワーン
3時間後、SAにて休憩。
すっかり乗り降りにも慣れたヨーダ婆、カッケーです。(笑)
今日はたくさん走ったので、疲れていないと思った私も
バイクから降りたら指先がジーンとしていました。
そして、輪厚SAを出てから約30分、
やがて、華やかな小樽の街の灯りが見えてきました。
ああ~、終わっちゃうなあ。
このままずーっと走り続けたいなあ。
夜8:50、最後の町、「小樽」に到着。
私にとって小樽はもう「訪れる場所」ではなく「帰ってくる場所」。
ただいま、という気持ちです。
北海道最後の夕食は、出抜小路にて、北海道名物ジンギスカン。
大丈夫、飲んでいるのはノンアルコールビールですから。(笑)
では、今夜の宿「オスパ」まで、たった2kmのラストランです。
夜10:00、オスパ着。
本日の走行距離、555km。
これから温泉に入って仮眠して、
明日の朝は、もう新潟行きのフェリーに乗らねばなりません。
何を書いても涙が出そう。旅の終わりは苦手です。
(エピローグへつづく)
投稿者:かまた 2009年08月26日 17:53
コメント
投稿者:ニカ 2009年08月26日 21:15
素晴らしい親孝行ができましたね。
大変だったんだろうけど、おっかさんやみつきになったりして。。。まさか免許取るなんて。
いつもは かまたさんの頑張りから元気を貰っていましたが、今回はおっかさんから貰いました。
バイクは危険な乗り物だからこそ、乗る以上は生きていることを大切にするもんだと思っています。前向きに生きていくためにはyoung&young at heartでいたいなと。 (^^)v
そのわりには飲んだくれてばかりで健康に配慮が足りない (゜_゜)\☆アホンダラ
投稿者:スケテツ 2009年08月26日 22:06
請雨法(雨乞いね)はもちろん、雨を止める秘法もライセンス取得時の必須科目です。
まかせておいてください。
阿寒、出発時のヨーダ婆さま、ちっちゃいですね~
投稿者:まく 2009年08月26日 23:09
シャングリラホテルの前の写真、
おふたりとも、ちっちゃすぎデス(笑)
引率してる@BOSSさま、相当おっきく見えますね。
最後の1話、楽しみにしてます。
追伸、今日もスケテツさまに書き込み負けました↓しょぼん・・・
投稿者:ひろ吉 2009年08月26日 23:27
号泣です。。。。。
ありがとうございます!
ヨーダ婆さま。@BOSSさま。そして、、、かまたさま。。。
言葉が、見つからないほど、、、感動です。。。
本当に、おつかれさまですた。、。。
自分の小ささが、改めて、浮き彫りとなった気が、します。。。
幸福駅での、かまたさんの、思い、、、痛いほど、、、感じました。。。
きっと、おいらでも、、
同じ状態になると。。。。。
すみません、、、ナミダが、、、とまりません。。。
本当に、、、ありがとう、ございました!
投稿者:スケテツ 2009年08月27日 00:24
まくさん、
これでもボク的にはかなり遅いタイミングでの書き込みです。
愛の力ですね、v(^_^)
>追伸、今日もスケテツさまに書き込み負けました↓しょぼん・・・
投稿者:かまた 2009年08月27日 02:33
>ニカさん
私もヨーダ婆が、「免許を撮る!」と言い出すのではないかと
ありえない期待をしつつ、ハラハラしています。
(「まさか、バイクに乗ってきたんですか?!」と聞く人が多かったのと
ヨーダ婆がそれに応えそうな気がして・・・^^;)
でもそうなったらどれだけカッケーことか!(笑)
たとえ時速40kmでも、後ろに着いて走ります。
>ひろ吉さん
いや、そんなに号泣されると私もどうしてよいやら・・・^^;ゞ
でも、幸福駅の駅舎に入ったときは本当に不思議な感じでした。
私は別に霊感も何もないけれど
暖かい思いに包まれて、どうにも涙が止まりませんでした。
(単に涙もろいだけかもしれませんが。)
たぶん「幸福駅」は、他人を思いやる力にあふれているんだと思います。
いつも、あんな気持ちを自分が持っていられたら、とも思うのですが、これがなかなか・・・
投稿者:かまた 2009年08月27日 07:39
>まくさん
復活しましたか?(笑)
大きなホテル、大きなバイク、
いつもに増して小さなヨーダ婆。
ウエアも自信を持って着こなしてポーズをとって
ホントにかわいいですよね。^^
スケテツさまより早くコメントを書くという、
よくわからない小競り合いはさておき(笑)
9月はちゃんと「ウコンの力」を飲んでから来てください。
投稿者:オードリー 2009年08月27日 07:39
>スケテツさま
「愛の力」よりも「雨を止める秘法」を使ってほしかったです。(泣)
投稿者:コタン 2009年08月27日 08:30
ヨーダ婆は 100まで生きるタイプ(?)だから、まだまだこれから何を始めたって遅くないですよ。
でも決して自分から無謀なことはしない、やってくるモノは拒まない・・
その自分のペースを崩さないところが 強さの秘訣ですかねぇ?
見習いたいと思います。
投稿者:GS欲しい・・・! 2009年08月27日 09:02
最近、仕事での移動に便利だから・・・と言って、年間4000キロにも満たない走行距離の私の愛車(400cc国産)に触れる機会を無理やり増やしております。
それにしても、本当に素敵なツーリングのお話で、そしてここまでに行き着くまでの、かまたさんやもちろん@BOSSさまやヨーダ婆。
たくさんの周りの方々の応援する気持ちなどなど・・・。
たくさんの刺激をいただきました。
なんだか勝手に総括?みたいになってしまいましたが(笑)・・・
私もこんな素敵なツーリングがしたいので、少しづつですが、その名のとおり、私なりの「遥かなるGSへの道のり・・」を・・・といっても、モラルや技術をスパルタ?にシゴイテくれる方が私にはいるわけでもないので、少しでも前進する気持ちを持ち続け、絶対!!達成したいと思います・・・!
・・・・間に合うか?ガソリン車が無くなるまで・・。
投稿者:かまた 2009年08月27日 09:57
>コタンさん
そうですね、100才まであと22年もあるし(笑)、
体力は落ちていくだろうけど、22年あったらいろんなことができそう。
でも、何もしないと22年あっても、そのまま過ぎてしまうものね。(私たちも。)
「やってくるモノは拒まない」のは、とても大事なことかも。
私も見習います。
>GS欲しい・・・!さん
まだツーレポは終わっていないので、
総括はもうちょっと待ってくださいね。(笑)
ガソリン車がなくなる日が来るのが先か
自分のガソリンが無くなるのが先か
未来は誰にもわかりませんが、
「今日」はやってきているわけで、
今できること、したいことを、一個ずつやっていきたいですね。
・・・と、私も総括みたいになったりして。^^
投稿者:上州GS/GG 2009年08月27日 13:29
この親にしてこの子あり、 このボスにしてこの部下あり! ですかね!
それにしても北海道て不思議なところですね。 バイクで走ると余計、感受性が高まるせいか、雨上がりの夕日を見ただけで涙が出てくることもありますよね。 幸福駅のメモ書きも北海道の大地が与えてくれた 何かに感謝し、自分に素直になれた言葉が綴られているのかも知れませんね。
私もあと3日余裕があればと思いました。 ツーリングには10日間は必要な場所ですね。
投稿者:かまた 2009年08月27日 21:10
>上州GS/GGさん
>この親にしてこの子あり、 このボスにしてこの部下あり! ですかね!
これは褒めて頂いているのでしょうか。それとも・・・。
GS/GGさんのおっしゃるとおり、
風を体に受けながらバイクで旅をしていると、
自然を五感で感じて、心が感動しやすくなる気がします。
私とGS/GGさん、北海道で、同じ頃、同じ景色を見て泣いていたかもしれませんね。